日歯連、石井みどり氏後援会に5千万迂回寄付か
日本歯科医師会の政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)が2013年、石井みどり参院議員(自民、比例)を支援するために設立した政治団体に対し、寄付金の法定上限額である年間5000万円を超える計9500万円を寄付していた可能性があることがわかった。
このうち5000万円は別の政治団体を経由させる形で移されており、識者らは「迂回(うかい)寄付の疑いがある」と指摘している。
政治資金収支報告書によると、日歯連は13年1月23日、西村正美参院議員(民主、比例)を支援する「西村まさみ中央後援会」に5000万円を寄付。同後援会は同じ日に、石井氏を支援する「石井みどり中央後援会」に同額を寄付した。その後、日歯連は同年3月15日、石井みどり中央後援会に直接、4500万円を寄付していた。(マイクロモーター)
川人貞史・東京大教授(政治学)は、1月の5000万円の寄付について「実際の資金の出所は日歯連で、違法な迂回寄付の可能性がある」と指摘。政治団体間の寄付金の上限規制は、日歯連の自民党旧橋本派への1億円ヤミ献金事件(04年)を機に設けられた。
日歯連は、組織として擁立した石井、西村両氏を支援するために後援会を設立。代表はいずれも日歯連の高木幹正会長が務めている。
日歯連は取材に「寄付は後援活動のために行った。日歯連と両議員の後援会はそれぞれ独立した団体で目的も異なり、迂回寄付には当たらない」と文書で回答。石井氏の事務所は「後援会は日歯連の関連政治団体で、資金の流れは把握していない」とし、西村氏の事務所も同様に「資金の流れは一切知らなかった」とした。