第108回国試の出題予想 その10
□ 根管充填後の打診痛の原因
(例)抜髄(又は感染根管治療)→根管拡大終了→根管充填前には打診痛(―)→根充後に打診痛(+)
想定しているのは上記のような症例です。
根管充填前には症状がなかったにもかかわらず、根管充填後に症状が出るということがあります。
原因として考えられることは、
1、根管充填材が根尖に飛び出た(いわゆる「オーバー根充」)
マスターポイントが作業長よりも長く挿入された場合です。
オーバーインスツルメントでアピカルシートが破壊されていた場合に生じることが多いです。
少々マニアックですが、ガッタパーチャポイントはもともと天然ゴムなので温度変化や劣化によってISO規格よりも細くなることがあり得ます。
したがって、アピカルシートがきちんと形成されていたとしても、マスターポイントのサイズの変化が生じていることでオーバー根充になることがあり得るということです。(根管長測定器)
2、残髄
残髄に気づかず、根管充填してしまった場合です。
3、根管充填後に咬合調整をしなかった
仮封をしたときに、仮封材が対合歯と強く当たっていることが原因で咬合痛が発生することがあります。