象牙質とエナメル質の比較
象牙質とは?
私たちの歯の表面は、硬いエナメル質で覆われているというお話をしました。
そして、そのエナメル質の中には、エナメル質よりも柔らかい「象牙質」という部分があります。
象牙質は、名前のとおり象牙に似たクリーム色を帯びた黄色をしていて、歯の大部分を占めています。
象牙質はおもに「ハイドロキシアパタイト」という成分とコラーゲン繊維とたんぱく質からなり、同じ歯の一部でありながら、エナメル質とはまったく違う組成になっています。
実は、歯全体がエナメル質でできているとすると、硬くてもろいエナメル質は、強い衝撃を受けた際に割れてしまいます。しかし、象牙質はエナメル質より柔らかく、衝撃を受けても割れにくいため、内側からエナメル質を支えることができるのです。人の体は、本当によくできているものだと感心させられませんか(技工用マイクロモーター)?
象牙質の奥には、神経と血管が通る「歯髄」という部分があります。象牙質がある程度のダメージを受けると、歯がしみる・痛むといった虫歯の自覚症状が現れます。
エナメル質とは?
歯の表面はエナメル質という歯質で覆われていますが、このエナメル質には、毎日の食事や歯磨きによって、目に見えないミクロの傷が出来てしまいます。
なめらかに感じる歯の表面は、顕微鏡で見ると無数の楊枝の束にように集まっている「エナメル小柱」と呼ばれる構造で出来ています。
歯の主成分は、ハイドロキシアパタイトと呼ばれるリン酸カルシウムの一種ですが、エナメル質の97%は、このハイドロキシアパタイトから出来ています(歯科レントゲン)。
象牙質とエナメル質の比較
神経 硬さ 知覚過敏 変色 もろさ 再生方法
象牙質 有 ステンレスで 有 有 神経有強い 神経によって新し
削れる硬さ 神経無弱い い象牙質が作られる
エナメル質 無 ダイヤモンドで 無 △ もろい 唾液によって再石
削れる硬さ 灰化する